生後0日~8週間目までの子猫のミルクの与え方。飲まない場合の原因について
子猫には母猫の母乳か、人口の子猫専用のミルクを与えなければなりません。
わたしも生後間もない子猫を何度も拾いましたが、最初のころに比べるとミルクの飲ませ方がだいぶうまくなりました。
たくさん飲んでくれるには、与え方のちょっとしたコツがあります。
今回は、子猫へのミルクの与え方、与える時期や飲まないときの対処法などをご紹介します。
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子猫のミルクは8週目まで与える
100%の割合で母乳、人口ミルクを与えるのは、生後4週間までです。
4週目までは乳歯が生えていないため、固形食が食べられないためミルクしか飲めません。
母猫の母乳には子猫の成長と病原菌をやっつける抗体が入っているので、できるだけ母猫の母乳を飲ませるようにしましょう。
捨て猫や、育児放棄された子猫の場合は、人口ミルクを与えれば問題ありません。
母乳と人口ミルクで成長を促す
しっかり育児をしている母猫でも、猫は一度に5~8匹ほどの子猫が生まれます。
そのため、全員に成長に必要なミルク量が足りず、とくに競争力が弱い子猫はミルクの量が足りなくなることがあります。
じっさいに、6匹以上の子猫がいる場合は、必要な栄養の3分の2ほどしか取れていないというデータがあります。
そのため、平均体重に達していない、飲めているミルク量が少ない子猫には、母乳と並行して人口ミルクを与えましょう。
3分の1ほど足りないことがデータで分かっているので、様子を見ながら3分の1ほど人口ミルクで補えば大丈夫です。
ミルクからの切り替えは離乳食
4週目からは、徐々に小さな乳歯が生えてきます。
4週~8週目は、ミルクを与えながら、離乳食と水にも挑戦していく時期です。
離乳食は、子猫用に売られている離乳食が手軽で、栄養面でもバランスが取れていておすすめです。
ロイヤルカナン FHN-WET ベビーキャット 猫用 100g×12個
うちではロイヤルカナンの「FHN-WET ベビーキャット」を与えています。
中身はムース状になっていて、ミルクからの切り替えもスムーズに行えます。
生後4か月目までの離乳食時の子猫に与えられるので、無駄がなく、栄養面でもばっちりです。
離乳食の詳しい作り方は「■生後4~8週目の子猫の離乳食の与え方。食べないときの原因について」をご覧ください。
与えるミルクの量と回数
1日に小分けする回数 標準体重
生後4日まで8回 標準体重95g
生後5~11日まで6回 標準体重160g
生後12-17日まで6回 標準体重240g
生後18~24日まで4回 標準体重325g
生後25~30日まで4回 標準体重415g
1日目~6日目までは、体重は10~15g増えるのが理想です。
7日目からは1日15g以上の体重増加を目指しましょう。
できるだけ目安にそって、ミルクは小分けにして与えましょう。
生後4日まではたいへんですが、1日ほぼつきっきりで8回にわけて与えるのが望ましいです。
子猫は胃袋が小さいため、たくさんのエネルギーを必要とするわりに、1度にたくさんミルクを飲むことができません。
栄養を効率よく接種するためにも、8回にわけることが望ましいです。
ミルクの量は製品によって違うので、買ったミルクに記載されている量を参考にして飲ませましょう。
ミルクの成分
ミルクの作り方
うちではワンラックキャットミルクを使っています。
スーパーでならどこでも手に入って緊急時に便利ですし、成分を母猫の母乳に近づけているので、子猫の成長に役立ちます。
乳糖が調節してありお腹を下しにくく、子猫に必要な必須脂肪酸、ドコサヘキサエン酸、アラキドン酸、アミノ酸タウリンもしっかり含まれています。
①容器は一回ごとに使ったら熱湯で洗って、煮沸消毒します。
②
ミルク缶の中は粉ミルクになっているので、裏面に記載された量をスプーンでとって、そのまま哺乳瓶に入れます。
シリンジで与える場合は、コップに粉ミルクを入れます。
③36度~39度に沸かしたお湯で、粉ミルクを溶かします。
温度計がない場合は、熱めにお湯を沸かして、指をいれても熱くなく、温かいくらいの温度まで冷ませばOKです。
④ワンラックキャットミルクの場合、1杯半の粉ミルクに対して、お湯は10mlで溶かします。
そのままではダマができてしまい、飲みにくく喉に詰まりやすいので、箸などで混ぜてよく溶かします。
ミルクの飲ませ方
シリンジ、哺乳瓶で与える
子猫にミルクを与えるときは、3ccのシリンジか、専用の哺乳瓶が使いやすいです。
飲んだ量が数字でわかりますし、吸い口がちょうどいい大きさのため、子猫も吸いやすいです。
シリンジ、哺乳瓶どうしてもないという場合は、代用としてストローでもなんとかいけます。
ストローを短く切って飲みやすくして与えると、衰弱しきっている子猫ではない限りストローでも飲んでくれます。
シリンジの持ち方は、図のように注射器を打つときとは違います。
注射器を手のひらの上にもち、押し出す部分を親指で押す持ち方をします。
この持ち方のほうがミルクが勢いよく飛び出さず、子猫が飲みやすい量を調節しながら出すことができます。
持ち方は下向き
お腹と足を下向きにして、床をお腹につけて飲ませます。
上向きに与えると、逆流して戻してしまうためです。
喉にミルクが詰まってしまい、窒息することもあるため危険です。
子猫が手をばたつかせてミルクを飲ませにくいときがあるので、親指と人差し指で手を抑えて、頭だけを出すように固定すると飲ませやすいです。
ミルクの温度は36度~39度
ミルクの温度は36度~39度にして、人肌より少し温かい程度にします。
温度計がない場合は、ミルクに指をひたして、熱くもなく冷たくもなく、温かいくらいの温度になっていればOKです。
冷たすぎると飲み物と認識しないので飲んでくれません。
吸い口を口のなかに突っ込まない
ミルクを飲ませようとして、吸い口をぎゅうぎゅうと口のなかに押し込む人がいますが、これはNGです。
口の中に吸い口があると、子猫は吸引をすることができません。
吸い口は子猫の口が当たるすんでのところに添えて、子猫が自ら吸い口を吸引するところに優しく持っていきましょう。
子猫は自分で吸引する力が備わっているので、元気な猫なら吸うことができます。
スポイトで強制的に飲ませる場合は、口のなかに押し込みます。
シリンジで飲ませる場合
シリンジで飲ませる場合は、吸引することができないので少しずつミルクを押し出します。
感覚は、ほんとうにミルクを一滴一滴出す感じです。
子猫の体調にあわせて、飲んだのを確認してから次を押し出すようにしましょう。
ミルクを飲まずに強制的に飲ませる場合も、一滴一滴様子を見ながら与えます。
あまりに飲めない場合は、ほかの原因が考えられるので病院へ行くしかありません。
飲ませ終わったら
ミルクを飲ませ終わった後は、ティッシュで口周りをふき取ります。
ミルクを飲ませ終わったら必ずおしっこを出すために、お尻を押して刺激させましょう。
詳しくは「■捨て猫を拾っても大丈夫!生後0日~5か月の子猫の育て方。ミルクから排便まで」をご覧ください。
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子猫用ミルクがないときの代用品
基本的に、子猫には専用のミルクでないと、栄養が足りずに成長できなかったり、虚弱体質に育ってしまいます。
子猫を拾ったけど夜中でどのスーパーも開いていない、というような緊急時以外は、必ず専用の子猫用ミルクを与えるようにしましょう。
緊急時の場合は、ミルクを代用することが可能です。
・牛乳(ただし下痢をした場合はやめる)
・スキムミルク(ただし下痢をした場合はやめる)
・無乳糖の牛乳
・人間の赤ちゃん用の粉ミルク(2倍に薄める)
・水(脱水症状を防ぐため)
・どろどろに炊いたおかゆをすりつぶしたもの
このあたりの代用品を、食べられそうなもの、家にあるものを用いて与えてみましょう。
長期的には栄養バランスが崩れてしまうので、必ず緊急時のみ使用可能です。
子猫がミルクを飲まない場合
子猫がミルクを飲まない原因はいくつかあります。
詳しくは、「■子猫がミルクを飲まない8つの原因と対処法。衰弱しきっていた子猫が復活!」をご覧下さい。
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