子猫を保健所に連れて行くとどうなる?厳しい現実が待っている
2018/05/21
子猫を拾った、たくさん生まれてしまったときなどは、子猫を保健所に連れて行く選択をする人もいます。
保健所で新しい飼い主が見つかるのは幸運なことですが、ほとんどの場合は飼い主が見つからないことが現実です。
今回は、保健所とはどのようなところなのか、その精度についてなどをご紹介します。
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保健所での子猫の取扱い
保健所に持ち込まれる猫の中でも、思いもよらずに生まれてしまったなどの理由で、保健所が引き取った子猫の数は、都道府県によってその数字はまちまちです。
公式なデータを公表している島根県によれば、平成26年度時点で飼い主から直接引き取った猫の頭数は460頭、飼い主不明の恐らくは野良猫などのケースでは、807頭となっています。
この中で、新しい飼い主に譲渡された猫は、飼い主からの引取り猫では58頭、飼い主不明の引取り猫では、165頭となっています。
トータルで考えると、子猫のデータは少ないのですが、これは保健所で亡くなった子猫も多いため、健康な子猫と成猫のみが譲渡によって新しい飼い主さんに手渡されたと見て良いでしょう。
猫の譲渡数は島根県では全体では233匹で、17%程ですから、2割に達していません。
こうした譲渡に関しては、島根県では、動物愛護団体などと顕密に連絡を取り合い、動物愛護センターを通じて譲渡にいたる方法をはかっているそうです。
他には、東京都を例に取ると、保健所と連携しているのは、東京都動物愛護センターとの連携によって、
まだ乳飲み子である子猫や事故などで負傷した猫に関しては、愛護センターが引き取って養育しているそうで、少しずつではありますが、不幸な結果になる猫たちの頭数を減らす努力は全国的に広がりを見せています。
日本の保健所でひきとった猫たちの運命
それまでは、保健所でひきとられた猫は、子猫も含めて保健所に子猫を引き取りたいという新しい飼い主さんが現れない限りは、
一定期間後に非常に不幸な運命になるしか無かったのですが、近年では、子猫、生後2ヶ月以内の子猫に関しては、生体販売規制が施行されると同時くらいの時期から、保健所では特別の事情が無い限りは、引取りを拒否しています。
これはやはり、動物愛護管理法が改正されたことが要因で、「しつけができないから」「引っ越すから」といった無責任な理由での引取りが拒否出来るように、今はなっているのです。
従って、保健所が現在引き取るのは、生後2ヶ月以上で普通に自分で餌を食べられる場合であるだけであり、保管期間も自治体ごとに多少の差異が見られます。
・北海道:譲渡適正ありの最低4日間
・青森県:3日以上~土日を含まず5日間
・岩手県:7日間
・埼玉県:1日~7日
・千葉県:1日間~譲渡適正があれば延長
・東京都:保健所は1日、愛護センターは6日
・神奈川県:制限なし、譲渡適性があれば譲渡するまで保管
・富山県:1日~14日
・福井県:1日~60日で譲渡適性を含む
・静岡県:1日~3日
以上の様に、都道府県別で保管期間はかなりの差があるのがわかりますね。
譲渡会ってどんなの?
基本的には、保健所でも開催しますが、譲渡会を主催するところは動物愛護センターなどの、動物愛護に関する民間団体が主催しているパターンが多いです。
その中で重要なキーワードが「適正譲渡」と呼ばれるガイドラインです。
実は、子猫などを含めた譲渡会では、誰もが気軽に子猫などの譲渡を受けられるわけではありません。
この譲渡会には、基本となる4つの柱が制定されています。
1.収容される猫の頭数を減らす。
2.収容中、健康状態を良好に保つ、人によく慣れていること
3.不妊手術と去勢手術と室内飼育を重点的に伝えて、受諾を受けること
4.不妊去勢で、再び不幸な猫を増やさないこと
せっかく子猫を譲っても、猫を野外に放置するような飼い方をするなどは、結局は何処かで子猫を増やして、不必要な野良猫の頭数を増やしてしまうことになります。
それに、不妊、去勢手術は飼い主さんの自費ですので、この費用を出せない人は、基本的に子猫の譲渡は受けられないと考えるべきですね。
保健所に子猫を連れて行く理由とは?
色々な子猫を含めた事情を見ていると、多くの場合、保健所が引き取る猫の大半は野良猫への苦情からです。
次に多いのが、引っ越しやその他の事情で飼うことが出来ないなどの事情で、成猫を保健所に連れて来る場合です。
それ以外は、不用意に野外で放って飼育した環境の中で、野外で妊娠し、自宅で子猫を産んでしまったケースですが、これは原則、保健所では引取拒否と今はなっています。
そこで、こうした子猫たちは不幸な結果とはならない、保護施設である動物愛護センターに連れて行くパターンが、現在は非常に増えていますが、一方で健康状態が悪化したり、ガンなどの病気で苦しむ猫が出てきた場合は、動物愛護センターでも、最後は安楽的な処置で猫は最後を迎えるとしています。
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保健所や動物愛護センターの役割
前述した神奈川県のデータで保管期限が非常に短い、「3日」としているのは、実は保健所は引き取りの窓口であり、それ以降は動物愛護センターが引取り、そこから譲渡会を通じてなるべく新しい飼い主さんに渡るように努力しているからですね。
保健所職員とは、犬猫飼育の知識はあまり無いので、引き取っても管理があまり出来る環境ではありません。
そこで保護センターでは、登録制のボランティアを公募し、全部で49のボランティア、個人、団体の登録によって、神奈川県では豊富な知識を備えたボランティアの活躍で、平成26年度では、ついに犬猫の不幸な最後を、全てゼロにすることを実現したました。
里親募集にも限界があります
それでも、多くの猫は保健所に引き取られ、全国的には不幸な最後というのが現実にはあります。
実は私が個人で飼育していた猫は、他の方から譲渡された猫でして、大学時代に同じ学校内の猫を飼う人が大学構内で里親の募集をしていたので、それに応募し譲渡を受けて飼育していのです。
たまたま授乳が終わった健康な猫でしたので良かったのですが、なかなか里親募集でも、一般の人が子猫の譲渡を気軽に選べるそういった情報源は非常に少ないです。
そこで、譲渡会となるのですが、まだまだ全国規模で一律の制度が無いため、神奈川県のようなケースは稀ですね。
ちなみに地元の保健所で「猫」を検索キーワードに調べたところ、「飼い主さがしの会」として、毎月予約制で譲渡会を開催しています。
それによれば、子猫も10ヶ月から1歳くらいで、ワクチン済み、あるいは去勢済みなどもまちまちです。
ただ、各都道府県では既に保健所のホームページから「くらし・ペット」などの項目で、動物愛護センターの情報は掲載されているので、もっと一般の人に周知されて大いに活用して欲しいと願うばかりです。
やはり、個人で里親探しをするのは限界がありますからね。
もしも子猫が生まれてしまったら?
これまで説明したように、「原則、保健所は子猫を引き取らない」ことになってますので、飼育放棄は動物虐待にあたりますから、責任をもって管理、飼育が原則の上で、里親探しを自分で考えていくことになります。
その際に非常に重要なのが、子猫が生まれた時点から、親猫も含めて全ての猫は「室内飼い」に変更し、それを徹底させることです。
子猫は母猫の母乳から免疫を受け取るので、授乳期間中は野外に一切出せません。子猫の離乳は、平均で生後6週目に始まります。
里親探しの場合でも、原則として離乳が完全に終わって、成猫と同じ餌に慣れた猫が対象となるので、それまでは自己責任で面倒を見ておく必要があるといえます。
動物愛護センターを考える前には、まずは幼猫はある程度、飼い主さんで面倒を見るのが基本と言えそうですね。
避妊が不幸を減らす第一歩
私の自宅には野良猫が非常に多い環境なのですが、最近気がついたのは、近所に野良猫の面倒を見る世帯が多いためか、メス猫では、特に避妊手術された個体が多くなった気がしています。
ペットショップでも「猫の室内飼育」の周知もあるせいか、野良猫の頭数はかなり減っています。
またオス猫が去勢されていなくても、メス猫の避妊手術済みの個体は、まずオス猫との接触機会が減るのが顕著ですね。
実際、猫同士の独特な交尾の鳴き声が深夜に聞こえない割には、メス猫は結構、家の周辺にはいるからです。
結果的にメス猫が寿命を迎える頃には、同じ様な年齢のオス猫も居なくなってしまうので、全体的に野良猫頭数は減るという感じになっています。
猫を飼育していると、明らかにオス猫は家を飛び出して頻繁に「家出」をしますので、メス猫の避妊手術は、最も効果的なのでは無いかと思っています。
実際、地元の保健所のホームページから動物愛護センターの情報を見ると、譲渡会に出される猫の頭数は5頭程度と非常に低い数字になっています。
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